フロントフォークオーバーホール タイトル

【症例:フロントフォークからのオイル漏れ】

フロントフォークからオイル漏れ発生。それにハンドルの動きがおかしいとオーナーは語る。更にブレーキの効きも悪いとの事でした。
フォークのオイル漏れの原因はオイルシールの劣化が原因。ハンドルの動きは症状からして、ステムベアリングの作動不良であると判断し、交換することにしました。


かなりひどく漏れています。
※ちょっと写真がボケていますが御容赦ください。

オイルが漏れています。フォークボトム部にはオイルが流れる程です。これがブレーキディスクにも流れてブレーキを効かなくしている原因のようです。


カバー内部にオイルが溜まっている。

【フロントフォークオーバーホールとステムベアリング交換の為の部品と工具】

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部品
フォークシール、スライダーブッシュ、ダストシール、フォークドレンガスケット、サークリップ、フォークオイル、ベアリングレーステーパーローラーベアリング、ベアリングボールなど

工具
ステムベアリングプーラー、ベアリングインストーラー、レースプーラー、シールドライバー、レースインストーラー、ドライバー、スパナなど

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その他に洗浄台や固定されたバイスも必要になります。
かなり沢山のパーツ郡ですが、これを組み上げれば快適な走りに生まれ変わります。

【取り外したフォークの分解】

あらかじめダストシールを外し、その後サークリップを外します。

【フォークキャップを外し、古いオイルを抜き取る】

抜き取ったオイルはとても汚れていました。エンジンオイルの交換は3,000km程度の短い走行距離で行いますが、フォークオイルはなかなか交換されることがありません。

【フォークを分解して洗浄台にて洗浄したもの】

全てのパーツを分解、洗浄して並べてみました。
左右合わせて、これだけの部品で構成されています。意外に部品点数が多くて驚かされますね。

【分解した部品の点検】

オイルシールなどすでに交換することが決まっている部品を除いて、ひとつひとつ点検をします。万一、部品に不具合、偏磨耗などがあれば交換しなければ正常に機能してくれません。
インナーチューブは曲りがないか、ダイヤルゲージで点検します。傷等は目視、触診で調べます。このほか、アウターチューブの内径、スライドブッシュの磨耗などを同時に点検します。

スライドブッシュ

スライドブッシュ(写真右)は写真のように、磨耗して規定値を下回っていましたので交換することになりました。このブッシュも勿論ですが、インナー、アウター両チューブ共に磨耗により金属粉が発生して、フォークオイルの汚れの原因となりますし、さらに磨耗を助長することにもなりかねません。

【フォークの組み立て】

点検が終わり、問題の見られなかったインナーチューブにダストシール、サークリップ、ワッシャー、フォークシール、アウタースライドブッシュを仮組みします。インナーチューブへフォークシールを挿入する際にはシールのリップ部分を傷つけないようにビニールを被せて挿入するなどの配慮も必要になります。
シール類には薄く均等にシリコングリスを塗ります。これにより初期作動時の潤滑、さらには使用中にも効果を発揮します。

【インナーチューブとアウターチューブの組み立て】

この際、オイルロックピースとオリフィスのセンターを合わせることが重要で、きれいに合わせなければ組み立てられません。真直ぐに、そして優しく作業します。

【フォークシールをアウターチューブに打ち込む】

この作業はとにかく、アウターチューブを傷つけないことが肝心です。倒立フォークの場合はシール圧入の時にフォークシール保持部がずれてしまいやすいので、より慎重な作業が要求されます。
フォークシール固定用サークリップを取り付け、ほこり対策のダストシールを組み立てます。これで外側は完成、左右とも同じ作業です。

【フォークオイル補充&組み立て】

フォークオイルを補充後、油面の調整をします。

その後スプリング、スペーサー、ストッパー、フォークトップの組み立てをします。

フォークを組み立てたら数回ストロークをさせて、オイル漏れなどないか厳重に点検をします。こうしてフロントフォークのオーバーホールが終了ですが、しっかり磨いて光らせることも怠りません。

>> ステムベアリング交換編はコチラ